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コラム

止水工事とは?防水工事との違いについて ~止水工事の必要性と簡単な工事の流れ~

2023.09.28

今回の記事では、マンションやビルのオーナーや管理会社の皆様へ向けて「止水工事とは何か?」について解説します。同じような工事だと思われがちな防水工事との違いや、マンションやビルにおける止水工事の必要性、そして工法や止水工事業者の専門性についても触れます。

漏水や雨漏りなど、建物の劣化や安全管理につながる「水問題」にお悩みの方に知っておいていただきたい情報ですので、ぜひご覧いただき、建物の維持・運営に活かしていただけたら幸いです。

止水工事と防水工事の違いについて

まずこちらの目次では、止水工事と防水工事の違いについてご説明します。これらの工事は、水の管理と建物の保護において重要な役割を果たしますが、そのアプローチや目的には違いがあります。


 


防水工事は、建物や構造物の外部から行われる工事で、“水の侵入を防ぐ”ことを目的とします。一般的に、屋根、外壁、屋上、バルコニー、地下室などの建物の外側に防水層や防水コーティングを施すことで、雨水や地下水からの浸水を防ぎます。防水工事は建物全体の耐水性を向上させ、内部への水の浸入を防止するための工事です。


 


一方の止水工事は、既に“漏水が発生している箇所に対して行われる工事であり、“水の侵入を止める”ことを目的としています。建物内部で漏水や水漏れが発生している場合、止水工事ではまず漏水の原因・場所を特定して、これ以上建物へと水が浸入しないよう、主に壁面・床面における修復を施します。


 


このように、防水工事は「水の侵入を防ぐ」工事、止水工事は、建物の内部における「漏水を止める」工事であり、全くの異なる工事ですが、建物の長期維持に向けては、止水工事を行ったうえで改めて防水工事を行い、建物の耐久性を更に高めることもあります。


マンション・ビル ~こんな状態の時は止水工事が必要!~

マンションやビルを運営・管理している間には、建物にさまざまな問題が発生することがあります。特に「漏水」が関わる以下のような状態の時には早急な止水工事を検討しましょう。


 


■地下駐車場の漏水


地下駐車場での漏水は、マンションやビルの所有者や管理会社にとって深刻な問題です。地下駐車場は、地下水や雨水の侵入によって漏水が起こすることがあります。駐車されている車や利用者の安全に何か問題が及んでは大変です。止水工事により、地下駐車場の漏水を止め、防水性を高める必要があります。


 


■電源室の漏水


マンションやビルの電源室は、建物を管理する電気設備や配線を保護している大変重要な施設です。雨漏りや水漏れによる漏水で電源設備に影響が及ぶと、火災や電気ショートのリスクが生じます。止水工事により、漏水原因を特定し、適切な補修を行うことで、早急な電気設備の安全性確保が求められます。


 


■雨漏り


マンションやビルにおいて室内や共用部への雨漏りが発生することは、居住者・利用者の生活に支障をきたす大変な事態です。また、雨漏りによる内部への雨水浸水は建物の劣化を引き起こし、カビや構造物の腐食などの問題を招く恐れがあります。雨漏りの原因を特定し、止水工事と防水処理や補修を行うことで、建物を早い段階で雨水から守る対策をとりましょう。


 


■漏水原因が分からない


漏水が起こった時に、管理会社・オーナー様の方で原因が特定できないこともあり、漏水の原因が明確に特定できない場合もあります。この場合、一刻も早い止水工事のために建物外部、内部の緻密な調査を行う必要があります。


 


建物において、このような状態が確認できた場合は、できるだけ早く止水工事業者へ調査を依頼しましょう。


止水工事の中身とは? 施工業者の専門性についても解説

止水工事は、建物内部での漏水や水漏れの問題を解決する重要な役割を果たします。ここでは、止水工事の主な中身と、止水工事を行う施工業者の専門性についてご説明します。


 


調査:


まずは、漏水の種類(クラック、打継、ジャンカ)などや漏水量などの、漏水状態の調査を行います。


 


注入孔穿孔:


漏水経路となっている水路(みずみち)を交差するように注入孔を穿孔します。


 


高圧注入プラグの設置:


注入孔の清掃を行った後、高圧注入プラグを挿入しレンチ・インパクトなどでしっかり固定します。


 


薬液注入:


注入孔から薬液を漏水部全体に注入し、その後、薬剤がしっかりと反応・硬化している状態を確認します。


 


以上が「注入法」と呼ばれる、水との反応で硬化する薬液を漏水経路に注入し、漏水を食い止める基本的な止水工事の流れとなります。


 


以上のような止水工事を行う業者は、建物の構造、漏水、止水・防水に関する高度な専門知識と経験を持っていることが重要です。正確に漏水の原因を特定し、構造や現場環境によって最適な工法や材料を選定する能力が求められ、また、施工技術の高さも必要であり、丁寧かつ制度の高い修理や補修を行うことが必要です。建物の耐久性と安全性を確保するために、専門性の高い業者を選ぶことが大切です。


まとめ

止水工事と防水工事の違いはお分かりいただけましたでしょうか。


それぞれの目的は異なりますが、建物を「水」による漏水・浸水以外から守る工事であることに変わりはありません。漏水がみつかったらできる限り早めに調査を実施し、早急に止水対処を行いましょう。


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